最終更新日:2017/07/10

【九電ショック】って、何?

 

平成26年9月24日、九州電力より衝撃的な発表がありました。

 

明日(平成26年9月25日)より、再生可能エネルギーの
接続申し込みに対する回答をしばらく保留にします

 

簡単に説明しますと、太陽光発電を導入した際、売電する際には電力会社と電力の【売買契約】をします。

 

その時、家庭用以外の太陽光発電では、事前に電力会社と【接続が可能かどうか】、協議を行うことになっています。

 

電力会社としても、ある日いきなり
『発電施設を作ったから、明日から電気買ってください!』
と言われても、対応できませんからね。

 

今回、九電が【回答保留】としたのは、この【事前協議】や【接続検討】です。

 

九州電力の回答保留の概要

(九州電力発表の資料より抜粋)

 

その後、九州電力に引き続き、【東北電力】【北海道電力】【四国電力】も
『10月1日以降の申し込みは回答保留』と発表しました。

 

この一連の発表をうけ、一部では

  • 太陽光発電は売電できなくなる!
  • 買取拒否だ!
  • 固定価格買取制度が終わってしまう!
  • 買取期間も短くなるのでは・・・!?
  • もう売電開始してるのに、単価が下がるの?
と、大変な騒ぎになってしまいました。

 

この騒動が【九電ショック】と言われています。

 

たしかに、とても衝撃的なニュースでしたが、実は10kw未満の余剰売電に関しては、ほとんど変更がありません。

 

また、各電力会社の対応も、少しづつ違いがあります。

 

以下に電力会社10社の対応をまとめました。

 

電力会社の【太陽光発電の扱い】の違い

 

電力会社名 回答保留の有無 詳細
北海道電力 10kw以上の新規受入の回答
  • 太陽光発電で300万kw程度の設備認定が進んでおり、最小需要の約270万kwを上回っている状態。
  • 10kw未満で余剰売電は対象外
  • 500kw以上の設備は、30日以上の出力抑制を行っても損失の補填を必要としない場合は受け入れ可能
東北電力 高圧連係・特別高圧連係の

新規受入の回答

  • 太陽光で1000万kw、風力で200万kw設備認定されていて、管内の最小電力需要量を上回っている状態
  • 50kw未満の【低圧連係】(家庭用の10kw未満も含む)については、従来通り受付
北陸電力

なし

 
東京電力

群馬県北部エリアで
入札方式を選択

  • 太陽光発電事業が群馬県北部エリアに集中したことが原因
  • 送電量を増やすための工事費用の負担金を、接続希望事業者が入札
  • 入札した工事負担金の多い順に優先的に接続
  • 251件・約33万kwの申し込みがあり、11月末頃に結果を発表
中部電力

なし

 
関西電力

淡路島南部の10kw以上

  • 関西電力自体は回答保留をしていないが、【四国電力が融通送電を行っている】淡路島南部は、四国電力の基準が適用される
  • 10kw以上の全量買取が回答保留の対象
中国電力

なし

 
四国電力 10kw以上の新規受入の回答
  • 太陽光は約190万kwの設備申し込みがあり、風力は接続量60万kwと認定
  • 需要量は記載されていないが、『上回る』可能性があるとの事
  • 10kw未満の余剰売電は対象外
九州電力

全量買取で、
【申し込み済みで回答待ち】案件も回答保留

  • 太陽光・風力合わせて約1260万kwの申し込みで、最小電力需要量を上回る
  • 申し込み済み案件で、以下のモノは保留の対象外
  • 低圧・・・工事負担金請求書が送付済み
  • 高圧・特別高圧・・・系統連系承諾通知書が送付済み
  • 太陽光・風力では蓄電池の併設等、その他再エネは出力調整等で、【昼間に電気を流さない】提案の場合は個別に協議可能
沖縄電力

8月8日以降の申し込みの全ての案件(10kw未満の余剰売電も含む)が回答保留

  • @需要の少ない2月〜4月の3ヶ月間、出力抑制が可能
  • A蓄電池等設置し、昼間発電した電気を系統へ流さず、18時ころ〜25時ころに放電。
  • @の場合は19MW、Aの場合は59MW程度追加で受け入れ可能。

 

【家庭用太陽光発電(10kw未満)】では、沖縄以外変更なし!

今回の回答保留問題ですが、やはり【太陽光発電に向いている】と言われる【九州・沖縄】が特に≪余裕が無い≫印象です。

 

逆に、都市部では大規模ソーラーが難しい点から、目立った問題はないように感じます。

 

沖縄以外の電力会社では、
【10kw未満の余剰電力に関しては従来通り】となっています。

 

確認したトコロ、【あくまで『余剰』なので、影響が小さいから】と
返答をいただきました。

 

しかし、予想外のスピードで太陽光発電が普及していることは事実です。

 

普及が進めば、売電の単価も一気に下がる可能性があります。

 

太陽光発電を検討している方は、【早めに行動】を起こしたほうが良いと思います。

 

回答保留問題、解決へ

 

政府としても、このような状況をそのままにしておくわけにはいきません。

 

専門委員会を立ち上げ、対策に追われました。

 

今後の【全量買取】について

今までは、【発電した電気は全量買い取ります】だけでしたが、
申請された『接続希望』が、送配電設備の容量を大きく上回ってしまい、
今後の新規事業者の参入がままならなくなってしまいました。

 

このため、

【発電した電気は全量買い取ります。
ただし、容量オーバーが予測されるときは、発電を抑えて下さい。

と変更になります。

 

今までも、500kw以上のメガソーラーに対しては『30日ルール』として、
【30日以内の出力抑制(発電差し止め)を行っても損失補填はしない】
となっていました。

 

今回はこの【30日】が撤廃となり、対象も【全ての太陽光発電】となります。

 

【30日ルール】からの主な変更点
 

【30日ルール】

【新(360時間)ルール】

施行時期

  2015年1月中旬

対象設備

500kw以上

全ての太陽光発電設備
(ただし、10kw以上を優先的に抑制)

制御依頼方法

事業者に電話連絡後、
パワコンのスイッチを切ってもらう

当面は電話連絡。
順次、遠隔制御機器の導入を促進・義務化。

制御期間

一日単位 時間単位

制御の上限

年間30日以内 年間360時間以内

 

【新(360時間)ルール】が適用されるのは、施行後に接続した太陽光発電システムで、既に接続(売電)している設備は、現行どおり【30日ルール】となります。

 

【指定ルール】制定

受け入れ容量に比較的余裕のある【東京・中部・関西】電力以外は、【指定電気事業者】に認定されました。

 

この【指定電気事業者】とは、【360時間以上の出力抑制を行わなければ、新規の受入ができなくなる】電力会社の事で、
【360時間以上、出力を抑制しても、補償しなくても良い】と認められています。

 

この、【上限なしの出力抑制】は、【指定ルール】と呼ばれています。

 

ただし、【指定ルール】が適用されるのは、【受け入れ可能容量を超えた場合】だけ。

 

いつから適用になるかは、電力会社によって差が出てきます。

 

この他の改正点
  • 売電価格決定時期を『申込時』から『契約時』に変更

    (平成27年4月より)

  • 設備変更(出力の増加やメーカー・パネルの変更)時は

    変更時期の売電価格が適用(平成27年2月より)

  • 運転開始後の出力を増設した場合、増設分の売電価格は

    【新規】として扱われ、当該年度の売電価格となる
    (平成27年4月より)

この発表を受け、各電力会社は新規等の受付を開始しました。

 

家庭用(10kw未満)の太陽光発電に関しても、出力制御が可能となりましたが、
【まずは産業用から】抑制が行われるので、
家庭用太陽光発電への影響は少ないと思います。

 

また、今回の改正によって、【とりあえず高い売電価格の認定をキープしておく】ことが、実質不可能になりました。

 

問題となっていた【認定は受けているけど実際には稼働予定も未定】といった案件は、
今後排除されていくと思われます。

 

電力会社別 対応一覧

大規模な太陽光発電に適した地域(北海道や九州等)と、電力消費が多い地域(東京や関西)では対応が異なります。

 

電力会社別に一覧にしました。

  〜10kw未満

(余剰売電)

10kw以上

50kw未満

50kw以上

500kw未満

500kw以上

北海道

東北

九州

2015年4月以降に接続申し込みをする場合は【指定ルール】 接続可能量超過後に接続申込をした場合は【指定ルール】

同左

同左

四国

沖縄

2015年4月以降に接続申し込み分から【360時間ルール】適用。
ただし、接続可能量超過後の申込は【指定ルール】

2015年1月26日(受入再開後)の接続申込は【360時間ルール】
ただし、接続可能量超過後の申込は【指定ルール】

同左

同左

北陸

中国

2015年4月以降の接続申し込み分から【360時間ルール】適用。
ただし、接続可能量超過後の申込は【指定ルール】

同左

2015年1月26日(受入再開)以降の接続申込は【360時間ルール】
ただし、接続可能量超過後の申込は【指定ルール】

同左

東京

中部

関西

出力制御の対象外

同左

2015年4月以降に接続申し込み分から【360時間ルール】適用。 2015年1月26日以降の接続申込は【360時間ルール】

 

10kw未満の余剰売電も【出力制御】の対象となっている地域もありますが、
【まずは全量売電(10kw以上)から】制御することとなっていますので、
影響は小さいと思われます。