最終更新日:2017/09/15

発電しているのに売れない!?

 

頑張って節電して、「たくさん売電したい!」と思っても、
売電できない可能性があります。

 

キーワードは【電圧抑制】

 

「電圧上昇抑制」や「出力抑制」とも呼ばれています。

 

まずは、【『売電』がどのような仕組みになっているのか】から、
振り返ってみたいと思います。

 

「買電」と「売電」の仕組み

 
「電気」の流れは「水」と似ている

太陽光発電の電圧抑制

まず、電気は水と同様、高いトコロから

低いトコロへと流れています。

 

水の場合は実際の高さ(数m等)ですが、
電気の場合は電圧(Vボルト)の高さがポイントとなります。

 

つまり、電気は電圧(V)の高いトコロ⇒低いトコロへと流れています

 

「買電」の場合

電力会社⇒家庭へ

太陽光で発電していない時は、電力会社から電気を「買って」います。

 

この場合は電線から家庭に電気が流れてきていますので、

【高】電線内の電圧(V)【低】家庭内の電圧(V)

となっています。

「売電」の場合

家庭⇒電力会社へ

買電に対し、売電している時は家庭内から電線へと電気を流しています。

 

この「流した分」を売電メーターが計測し、売電量がわかるようになっています。

 

売電している時の電圧は

【高】家庭内の電圧(V)【低】電線内の電圧(V)

となります。

 

電線内の電圧の平均は?

 
「電圧」は変化します。

日本では家庭では「100Vの交流電力」が供給されています。

 

つまり電線内の電圧は100Vとなりますが、
実は「ピッタリ100V」とは限りません

 

先ほど、「電気の流れは水と似ている」と書きましたが、
「電圧」と「水圧」も似ています。

 

シャワーを浴びている時、家庭内の別の場所で水を使うと、急に水圧が弱くなることがありますよね?

 

電圧でも同じことが起こります。

ご近所に工場等、たくさんの電気を使う場所があった場合、
稼働開始は電線内の電圧が下がります。

 

逆に、朝や夕方、工場が稼働を止めると、電線内の電圧は一気に上がります。

電線内は「95V〜107V」

あまり急激な電圧の変化は好ましくないので、
電力会社はこまめに電線内の電圧を調整する必要があります。

太陽光発電の電圧抑制

 

電力会社で「トランス」と言われる変圧器で
大体5〜10軒の家庭への電圧を調整しています。

 

「トランス」は電信柱の上部にあり、
ポリバケツのような形をしています。

 

法律では「101Vの上下6Vを超えない値を維持すべき」と規定されています。

 

つまり電線内の電圧は「95V〜107Vの間」となります。

 

しかし、この「95V〜107V」ですが、算定方法は「30分間の平均値」なので
わずかな時間であればこの範囲を超えても問題ではない、ということになります。

 

売電できない状態とは?

 

さて、電線内の電圧は通常「95V〜107V」、極力100Vに近くなるよう調整されています。

 

売電する場合は

【高】家庭内の電圧(V)>【低】電線内の電圧(V)

なので、太陽光発電の電気を107V以上で流せば「売電」になります。

 

この電圧を制御しているのが「パワコン」。

 

パワコンの出力電圧は通常で107V程度に設定されていますので、
普通は問題なく売電できます。

 

しかし、電線内の電圧が「一時的に107Vを超えていた」場合、
発電した電気は電線内に流れず、売電メーターが動かないので
「売電できない」状態となってしまいます。

 

これが「電圧抑制」、あるいは「電圧上昇抑制」「出力抑制」と呼ばれる現象です。

 

しかし「30分の平均値で107V以下」になるよう、電力会社も電圧を調整しますので、長時間続くことはまずありません。

 

 

電圧抑制は続く?

 

通常、電圧抑制で売電できない状態はごく一時的なものなので、
発生していても気づかない場合が多いと思われます。

 

ただし、まれなケースとして

  • 常態的に供給される電圧が高い
  • 電圧の高い瞬間が1日に何度もある

このような場合では、影響が大きくなる可能性もあります。

 

最近のパワコンやモニターは高性能になっており、
電圧抑制時に確認ができるなタイプもあります。

  • パワコンの「抑制ランプ」が点灯や点滅
  • モニターに「電圧抑制」等コメント表示
  • モニターで抑制の合計時間の確認ができる

 

なかなか気が付きにくい問題ですが、あまりにもシュミレーションと発電量が違う、晴れているのに売電が少ない等、気になる場合は「電圧抑制」を疑ってみてください。

 

また、今後太陽光発電が大幅に普及し、「ご近所のほとんどの家が発電してます〜!」となると、晴れている日に「一斉に売電!」となり、電線内に電気が流れ込み、
電線内の電圧が上昇⇒「電圧抑制」となる可能性もあります。

 

ただ、現在はまだまだそこまでのレベルで普及はしていません。

 

電圧抑制の改善策は?

 

電圧抑制の問題は、「気づきにくい」点もありますが、
気づいても「自分だけでは解決できない」点が大きいです。

 

状況の確認

まず、「あまりにも発電(売電)量に疑問がある」場合は、モニター・パワコン等のエラーメッセージやコメントを確認してみましょう。

担当者に連絡

その後、販売・設置業者に連絡。
電力会社に状況を伝えてもらい、改善について話し合ってもらいましょう。

 

販売・設置業者が倒産していたり、対応があまりにも悪い場合は、
ご自身で電力会社に連絡しても大丈夫です。

改善を依頼

電圧抑制の主な改善方法は以下の2点。

  • 家庭内の最大電圧を107Vより高く設定
  • トランス(電信柱の変圧器)の最大電圧を107Vより低く設定

一般的な家電製品は、110V位まで耐久性がありますので、家庭内の電圧を多少上げてもすぐに壊れることはまずありません。
ただ、寿命が早まる、といもいわれています。

 

改善の決め手は「交渉力」

 

電圧抑制に対し、どのように対処するかは、電力会社が決定します。

 

対応については法律等で決まっていませんので、

「どのように話し合いをするか」が非常に重要です。

 

また、これから太陽光発電の設置を検討している方は、「我が家は電圧抑制がかかる可能性が高いか低いか」は、とても気になる点ではないでしょうか。

 

実績・経験ともに豊富な業者であれば、
周囲の状況からある程度予測ができると思います。

 

また、電圧抑制の改善を求める際も、電力会社との交渉に経験があれば、
任せる方も一安心です。

 

【売りっぱなし業者】に注意!

2014年5月6日、NPO法人【太陽光発電所ネットワーク】が発表した『太陽光発電の普及・促進の影で』というレポートでも電圧上昇抑制について触れられていました。

 

販売・施工業者の生の声

私が見てきた中では、パワコンの整定値を 109V に上げて対応する事例や電力会社負担の変圧器のタップ変更(変圧器ごと交換)がほとんどです。
ただ、業者の中では売りっぱなしの方が多く、ユーザーからの電圧上昇抑制の声に「電力会社とユーザーの問題だから、直接電力会社に相談してください」と言っている方もいるようです。(※一部抜粋)

『売りっぱなし』の業者では、全く信用ができません。

 

せっかく発電した電気です。
ムダなく大切にしていきたいですね。

 

そのためにも、やはり【業者選び】がとっても重要になってきます。

 

『失敗しない業者選び』『見積り依頼先はどこがいい?』を参考に、慎重に業者を選定して下さい。